口臭や体臭で死にたくなる人も・・・
口臭や体臭で死にたくなる人もいらっしゃるようです。
50代主婦 体臭に悩む 2014年6月6日3時0分 読売新聞 50代の主婦。自分の体臭のことで悩んでいます。家族に相談したら、みんな協力的でした。その結果、頭と足が臭うが、ひどい状態ではないとのこと。シャワーを浴び、デオドラント製品を使ったりもしましたが、効果はありません。先日、バスで小学生の集団から「臭い!」と指摘されて、ますます落ち込んでいます。体臭への恐怖心から、5年ほど前にうつ病になったこともあります。先生は「臭わないですよ」と言ってくれましたが、信じられません。身内にはこんな臭うものは一人もおりません。私だけがこんな苦しみを……と思うと、死にたいくらいです。他人様にはどうでもいい悩みですが、私にとっては深い悲しみなのです。せめて孫には遺伝しなければ いいのですが。いろいろなことに積極的に挑戦し、あれもやりたい、これもやりたい、と妄想だけが浮かびます。どなたかこんな私を救っていただけませんか。(東京・Y子)◇
客観的な理由がないのに、「自分の体から悪臭が出ている」という悩みを持つ人は日本人にとても多くて、「自己臭妄想」と言われることもあります。この場合、そもそも臭わないということを本人に認めさせるのは簡単ではありません。体のどの部分でも、よほど近づけば少しはニオウものですが、そこを自分で嗅いで確認してしまう。また、日常生活のいろいろな場面でニオイのことが話題になる機会は多いと思いますが、他人のそういう会話をみんな自分のことに結びつけて解釈す るので、「私はニオウ」という観念が固まってしまう。
実は、この深層心理にあるのは、「自分は嫌われている」という自信のなさなんですね。この部分が改善された時にニオイの悩みも良くなるんです。
あなたの場合、最後にとても良いことを言われている。「いろいろ積極的に挑戦し、あれもこれもやりたい、という妄想を浮かべる」と。こういう妄想なら自己臭の妄想を追い出す力になりえます。大いにこの妄想を実践して、自信を回復することを勧めます。最後にこういう状態はもちろん遺伝とは無関係なことを申し添えておきます。
野村総一郎(精神科医)
読売新聞の「人生案内」という人生相談のコーナーに出ていた記事を引用しました。
他人にとっては何でもない事でも本人にとっては、つらいことです。
しかもこのケースでは、精神科の先生に「臭わないですよ」と言われているのに、「信じられません」とあります。
そうすると、この相談者のかたは、日本一の体臭の権威の先生が「臭わない」と言っても聞き入れることはないのです。
木馬歯科では口臭外来もあります。
皆さん悩みに悩んでやっとの思いで来院します。
数百万する口臭測定器を数種類用意してありますが、そういう患者さんたちは、ブラッシングも一所懸命、あらゆる民間療法で口臭対策はしているのです。
しかし よくならないのです。
口の中はもちろんきれいです。ですから口臭測定器には反応なんかしません。
以前都内の有名大学の口臭外来を受診したけどもよくならないので、木馬歯科へ来院した方がいます。
有名医大の口臭測定器は1億円くらいするかもしれません。
結局、担当医は高額口臭測定器のデーターを見て「口臭はありません」と診断結果を言ったそうです。
そして、口臭がないから治療はできません。と言ったそうです。
患者さんは「ないのか、ああよかった」とは思わないのです。来院する前と変わらないのなら、治っていないと考えます。
さて、木馬歯科では、どうしたか。
やはり、当院の口臭測定器でも反応しません。
でも、どうい うきっかけで、口臭を意識したのか、24時間、365日、口臭があると感じるのか?といろいろと問診をします。
そしてなにより、大事なのは、鼻で臭いを感じ取るということです。
これを官能検査といいます。
わたしは、患者さんの口の中に鼻を入れて、口臭を嗅ぎ取ろうとします。または至近距離で息を鼻にかけてもらいます。
そうして、感じたことを言葉にします。または問診していて、わかるのですが、患者さんは口の中の不快感を訴えていることも多いのです。
口の中がネバネバする、だから口臭があるに違いないと思うのです。
または、過去に話している相手が、口のあたりに手をやった。それはわたしの口臭を避けていたための行動だ。だからわたしには 他人を不快にする口臭がある。と決めつけたりするわけです。
そうすると、他人のすべての行動が気になって仕方なくなるんですよ。
わたしは年に何回か、口臭の勉強会に行っています。数年前には体臭を専門にしている医者の五味先生に話を伺ったことがあります。
驚いたことに、自殺者の2割は体臭で悩んで死んでいる。と言っていました。
ということは、口臭で悩んで自殺してしまうケースもあると思いました。
皆さん、深刻な悩みなのです。
木馬歯科では、2回ないしは3回で解決していますが、患者さんが治ったと実感し、納得したとしても安心しません。
患者さんは、それではこれから口臭があるかどうかをどう判断するのか、悩むのです。
そして 、現在では3か月に1度くらい来院して、その間にあった悩みを聞きながら、心を安静に保つという方法を取っています。